2019年1月、板野珈琲LINE@サイトのホームに掲載したコラム「あなたはナチュラル派? or ウォッシュド派?」

新年明けましておめでとうございます!
初めての新年を迎えますまだまだ駆け出しの板野珈琲ではございますが、2019年もご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。
今年もみなさまにとって、良い年でありますように・・・・

今回、まずはじめに新しく準備しましたパプア・ニューギニアについて・・・。パプア・ニューギニアはオーストラリア大陸の北側、インドネシアの東西に連なる諸島の東の端、ニューギニア島の東半分がパプア・ニューギニアです。
ちょうど赤道から少しだけ南に位置する熱帯の国です。
パプア・ニューギニアの豆は主にティピカという品種で、ジャマイカのブルーマウンテンやハワイのコナなどの超高級品と同じ品種です。
もともと飲用のコーヒーの豆の種はアラビカ種、カネフォラ種、リベリカ種という三種があるのですが、その中でも一般的にレギュラーコーヒーとして飲まれているのはアラビカ種で、ティピカはそのアラビカ種全体の約70数種の中でも最も原種に近い品種、栽培品種としては最も古い品種だと考えられているそうです。
パプア・ニューギニアのコーヒー栽培の歴史はジャマイカのブルーマウンテンのティピカの苗木にルーツがあり、それらが持ち込まれたのが始まりだそうですが、そんなティピカも病気に対しては耐性は低く、おまけに生産性はあまり高くないそうで、ハワイやジャマイカのブルーマウンテンなどこれまでの病害や虫害などの話を伺い知れば、生産している人たちの苦労が大変なものだと想像できます。
そんなティピカも味覚的には明るい酸味とはっきりとした風味が特徴的だと一般的には言われています。しかし、これも国や産地はもちろん焙煎の度合いによっても大きく変化するので一概には言えませんが、パプア・ニューギニアのコーヒー栽培に関して言えば、標高の高いエリアで栽培されているというのが最大の特徴であると言えるでしょうから、そのことはイコール、豆自体が多くの糖分を蓄えるということになります。つまり、とても上品な酸味を有しながら、甘さも兼ね備えている、と言えるのではないでしょうか。
あまり深く焙煎するよりは、やや浅いめに焙煎する方が酸味の特徴がハッキリとあらわれていいんじゃないかなぁ、と僕は思っています。
生の豆もツルッとした感じで大きく、まるでワックスでもかかっているかのような艶々な感じです。見るからに美味しそうなそんな見た目をしています。

それから、もう一つ
いつも好評頂いていますエチオピアのイルガチェフェ。
これまではナチュラル(自然乾燥式)のものだけの取り扱いだったのですが、今回はウォッシュド(水洗式)のものもご用意いたしました。
その思惑は?と言えば、ナチュラルとウォッシュドという精製処理の違いがどれほどカップに影響を与えるのかを感じていただきたいと思ったからです。
その精製処理の方法の違いを簡単に言えば、水を使うか、使わないか、ということなのですが、つまり収穫されたコーヒーの実(コーヒーチェリー)を天日乾燥のみで脱穀するのか、水に浸けて果肉の部分の発酵を促せてから剥がれやすくした後に脱穀するのか、という違いです。
では、何のために精製処理するのかということになりますが、それはコーヒーの抽出に必要のない果肉の部分と必要な豆の部分とを分離するためです。
みなさんがいつも目にするコーヒー豆はコーヒーの実(コーヒーチェリー)の種の部分だけを脱穀して取り出して煎ったものです。煎られる前が生豆と言われる状態です。お米で例えれば、精米された白米の状態です。炊飯された白米が茶碗に盛られてごはんと言うなれば、それがコーヒで言うところの茶色いコーヒー豆、そう、みなさまがご存知のコーヒー豆がこの状態にあたります。
では、肝心のその精製処理の詳しい内容はどのようなものなのでしょうか?
ナチュラルはまさに天日干しで乾燥させた後に果肉を除去する方法ですから、作業工程が単純な上、設備もそれほど必要ではない旧来からの精製処理方法であります。この方法だと脱穀する前に乾燥させるので果肉の持つ成分が乾燥とともに豆自体に移りやすいことは想像に難く無いでしょう。よって、ナチュラルの豆は土壌や気候状況の影響と共に、コーヒーの果肉に元々含まれている果実味の影響が大きく出てくるということになります。そのフレーバーは他の果実に例えられたり、フルボディ感から赤ワインのようなといったようないい表現をされることもありますが、野生的だの土の匂いだの発酵臭だのと時に否定的な表現をされることもあります。
対してウォッシュドですが、これはまずコーヒーの実(コーヒチェリー)を乾燥させる前の収穫されてすぐの段階で、パルパーと呼ばれる機械を用いてコーヒーの実から果肉の部分を大きく剥ぎ取り、後に水が張られた発酵槽に浸け残った果肉やぬめり部分を洗い流した後に乾燥させる方法です。この方法だと果肉のほとんどの部分は早い段階でパルパーで除去され、すぐに残りも発酵や水を利用して洗い流されるので、果実自体の持つ影響はコーヒー豆には移りにくいということになります。この方法では大量の水が必要なことや設備に大きな投資がかかるので、そのような条件が揃わないところでは今でも採用されていません。しかし、そのフレーバーはクリアでスッキリとした味わいになるために、マイルドで高品質な豆を追求する多くの国々で早くから採用され拡大してきました。しかし今日ではナチュラルの独特のフレーバーに対する見方も変化し、あえてナチュラルを採用するところやナチュラルとウォッシュドの折衷方式(パルプド・ナチュラル、ハニープロセス、スマトラ式 etc.)を採用するというところも増えてきています。
精製方法の違いは簡単にいってこのような感じなのですが、聞くよりも体験されるのが一番だと思います。百聞一見にしかずというか、一飲一読に勝るですよね。あなたはさて、ナチュラル派?それともウォッシュド派?

同じ国の同じ産地、同じ品種の豆、精製される前は全く同じもの、それらを比較するのが精製処理の違いを理解するには一番の方法だと思います。
きっと、その違いの明らかさには驚かれることと思います。

是非是非、自分だけのお気に入りのコーヒーをお探しになる一つの判断基準にされてはどうでしょうか?

今年の冬はなんだか暖かいですが、今月あたりから冷え込みも厳しくなってくるかもしれません。
インフルエンザ等のウィルスも猛威をふるい始めているようですので、みなさまお体にはくれぐれもお気をつけください。

新年の2019年明けました〜

今月も板野珈琲を是非是非よろしくお願い申し上げます!

 

板野珈琲
荒井輝年

 

 

参考文献:
ジェームス・ホフマン,2018『スペシャルティーコーヒー大辞典』日経ナショナルジオグラフィック社
田口護,2008『珈琲大全』NHK出版

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